製造装置単体の性能向上を越えて、
工程全体を見直してブレイクスルーできないか。
マイクロLEDディスプレイの製造にコストがかさむ主な理由は、素子のサイズと膨大な数量。現在一般的に利用されているLEDの大きさは約1mm角、進化形のミニLEDは約0.1〜0.2mm角、これに対して次世代のマイクロLEDは、約15μm(マイクロメートル)角という極小サイズです。この微細なLEDを基板に敷き詰めていく作業は非常に緻密で膨大な時間を要します。8Kディスプレイなら約1億個が必要というスケールからも高コストの理由がわかるでしょう。
この製造工程に不良品除去用のレーザートリミング装置を提供することになったメカトロファインテック事業本部第一事業部では、設計部部長の森を中心に、どうすればお客様の抱えている生産性・品質向上の課題解決に貢献できるかについて検討を重ねていました。しかし、自分たちが担当する装置の性能アップにより改善できるパフォーマンスは、製造工程全体としてみればごくわずか。「当社がこのプロジェクトに本当の意味で貢献するためには、もっと大きなブレイクスルーが必要だが…」。森は常にそんな思いを抱えていました。そんなときに意外な事実が発覚します。実はマイクロLEDの品質を検査する工程も、基板に素子を並べていくボンディング工程も自社の別事業部が請け負っていることがわかり、これらの前後の工程をつないで考えることで従来とは異なる価値を提案できるのではないかという期待が膨らみます。